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2021年9月18日

[ウメ、スギ]古今東西 ご神木巡礼 その40 (茨城編3)〜偕楽園の次郎杉跡|エバーグリーン

偕楽園の古木を探しに

水戸といえば、偕楽園。と、すぐに浮かぶほど有名な場所。今回は、偕楽園に御神木ではないのですが有名な古木があるというので訪ねてみることに。

ただ、最寄りの偕楽園駅(JR東日本)は梅まつりのシーズンのみ営業する臨時駅。よって、シーズンオフに行く場合の足は水戸駅からのバスあるいはタクシー、またはレンタサイクルとなります。筆者のオススメは1日バス券です!

偕楽園ってどんな場所

さて、偕楽園。行ったことはなくても名前は聞いたことがある方も多いはず。偕楽園は金沢の兼六園、岡山の後楽園(※小石川の後楽園ではありません)とならぶ「日本三名園」のひとつ。天保十三年(1842年)に水戸藩第九代藩主・徳川斉昭によって造園されたものです。名前の由来は、領内の民と偕(とも)に楽しむ場にしたいと願った斉昭の気持ちから。また、この偕楽園、実は文武修業の場(一張)「弘道館」での修業中に、心身を休める場(一弛)として造られ、相互で一対の教育施設として考えられて造られたのだとか(というワケで次回は弘道館に足を運んでみたいと思います!)。

偕楽園の看板、とにかく広い!

偕楽園の看板、とにかく広い!

好文亭より望む景色

好文亭より望む景色

 

偕楽園といえばウメ

造園者の徳川斉昭は、この偕楽園に数千株のウメの木を植え、真っ先に春が来るそんな場所にしたいと考えたそうです。また、ウメは観賞だけでなくその実を兵糧として用いることを考えたようです。ちなみに、偕楽園には約100品種、3000本のウメを見ることができます。筆者が訪れたのはウメの実の時期でしたので園内には甘いウメの香りが漂っておりました。ちなみに、ウメ(Rosaceae Armeniaca mume)は中国原産でバラ科アンズ属の落葉高木。花を見るために育成・選抜されてきた品種は「花ウメ」、果実を食用とするための品種は「実ウメ」というのだそうです。

いろいろなウメの木があります

いろいろなウメの木があります

 

対照的な竹林もみごと

偕楽園はウメだけでなく竹林も実にみごとです。そして、造園者の陰陽感を感じさせる場でもあり、神道と儒教、学問と政治など常に対立を意識し調和させる大切さを感じさせる場となっています。また、園内にある好文亭は襖絵は昭和二十年(1945年)の水戸空襲で消失しましたが、昭和を代表する二人の日本画家、須田珙中(すだ きょうちゅう:1908年~1964年)と田中青坪(たなか せいひょう:1903年~1994年)が復元に携わり、部屋名にあわせた美しい襖絵を見ることができます。

竹林

竹林

襖絵、植物が美しいです

襖絵、植物が美しいです

襖絵、植物が美しいです

 

偕楽園の次郎杉跡!

その昔は、太郎杉と次郎杉があったのですが、次郎は残念ながら昭和三十九年(1964年)の台風で倒れてしまい今はその面影を忍ぶ倒木となっています。一方、太郎杉は800年近い樹齢とのこと。その風格のある姿をドンと構えていました。不思議な力を持っているかのように感じられほど神秘的でした(残念ながら今回はなぜかカメラトラブルでその姿は紹介できませんが……)。また、その近くには吐玉泉があります。使われている石は茨城県常陸太田市真弓山から採掘した大理石(寒水石)で、水の浸食により縞の部分が時の経過とともに変化してしまうため、現在のものは4代目とのことでした。

次郎杉跡

次郎杉跡

次郎杉の立て札

次郎杉の立て札

 

緑の相談所もあるそうです

偕楽園公園センターという場所があります。梅と緑の相談所では植物についての質問に専門の相談員が答えてくれますので、偕楽園に足を運ぶ際には、ぜひ訪ねてみるのもいいかもしれないですね(相談日などは事前確認を)。

 

エバーグリーン編集部オススメサイト

 

  • 『偕楽園』:茨城県水戸市見川 1-1251

 

(グリーンアドバイザー、開運植物文様研究家 藤依里子)


いろいろなウメの木があります