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2021年12月3日

[レンゲイワヤナギ]森林限界を超えた稜線岩場で力強く生きるレンゲイワヤナギ|ヤナギ科ヤナギ属|エバーグリーン

今回は、北アルプスと南アルプスの標高3,000mの高山帯に生育する「レンゲイワヤナギ」を紹介します。ハイマツより標高が低い場所では見られません。ヤナギ科ヤナギ属の葡萄性の矮生(わいせい)低木で、別名タカネイワヤナギです。北海道に生育するエゾノタカネヤナギヒダカミネヤナギも同じ仲間といわれています。

山頂近くのレンゲイワヤナギ(7月中旬)

山頂近くのレンゲイワヤナギ(7月中旬)

レンゲイワヤナギ(7月中旬)

レンゲイワヤナギ(7月中旬)

草のように見えますが、立派な樹です。稜線の岩の間に幹を這わせ小枝が伸び、更に短い側枝の頂部に、写真のような葉・花が上向きにつきます。葉は長さ4〜7cm、幅2〜4cmまで成長します。洋紙質であまり厚くなく形は楕円形ですが、倒卵形状など変化に富みます。葉の表面は緑色で無毛です。写真のように葉脈はしっかり凹入(おうにゅう)しています。裏面は帯粉白色で葉脈は隆起しています。側脈は6〜9対です。

花期は7月で円柱状の花穂です。3〜4個のひと回り小さい葉をつけた短い側枝に頂生します。雌雄異株で、雄花穂は長さ2.5〜4.5cm、径1.1〜1.5cmです。雌花穂は長さ2〜3cm、径0.8〜1.0cmと、少し小振りです。

写真のように花が地味なので、数回ある山に登って初めて山頂直下にあることに気づきました。当初は高山の野草と思いましたが、樹であることを知って更に興味がわきました。花がヤナギに似ていることは納得ですが、そのほかは普通に川や山にあるヤナギとはまったく様子が違います。小枝の滑らかさや特徴のある葉の手触りと花穂の何ともいえない柔らかな感触など、3000mを超える山の上で“癒やし”を見つけことは驚きでした。

みなさん高い山の頂上を目指して頑張りますが、少しゆっくり登る余裕を持てば、新しい山の魅力が見つかると思いますよ!

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))


 

レンゲイワヤナギ(7月中旬)