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2022年11月18日

[展示会]イベントレポート:特別展・毒 |エバーグリーン

50点以上の毒に会える

「毒? そんなもの植物とは無縁じゃないの」、「植物は花を咲かせて美しいもの」あるいは、「ハーブや薬草、農作物をはじめ危ないものなんかないじゃない」…「毒なんか無関係よ!」そんなことをおっしゃるならぜひ! この展示会に足を運んでもらいたいです。あらためて、植物には「毒」があるものもあるんです、ということがわかります。

★開催期間
東京(国立科学博物館)2022年11月1日~2023年2月19日
大阪(大阪市立自然史博物館)2023年3月18日~5月28日
公式HP https://www.dokuten.jp/

 

開幕と同時に「毒」に行ってきました!

2022年11月1日開幕。しかし、……今回の展示会も(観覧料が)高い! 大人2000円、小・中・高生は600円。入場には予約が必要です。チケットはサイトで購入可能で、日程は3回まで変更可能です。割引などはありませんので、空き状況をみながら前日か当日の朝に予約されることをオススメします。と、いうワケで「毒」好きの筆者は初日に予約をして、会場となる上野へ。

看板発見!!

看板発見!!

デジタルチケットですが半券が欲しい場合は言えばもらえます

デジタルチケットですが半券が欲しい場合は言えばもらえます

 

会場内で無数の「毒」に出会える

実は筆者、「毒」好きです。植物は毒草があるとつい購入し、毒草ガーデンを作りたいと密かな夢を追いながら育てています。そんなわけで、もうワクワク! 会場は「毒の世界へようこそ」からはじまり「毒の博物館」「毒と進化」「毒と人間」「毒とうまくつきあう方法」といくつかの章に分かれ、実物やレプリカ、標本などがずらりと並んでいます。そして、なによりもうれしいのがビデオ素材や一部の展示を除いて、撮影可能であること。ハッシュタグ(#)をつけることでインスタなどにも公開可能です。ということもあり会場内でスマホの電池が切れそうになるまで写真を撮影しまくりましたが、これから行かれる方のために写真(掲載)は封印します!

撮影可能

撮影可能

 

植物の「毒」

「毒の博物館」で目に飛び込んだのが「植物の毒」。日本の三大有毒植物が展示されています。ドクウツギトリカブト類ドクゼリ……ということで、いずれも誤飲や誤食でかなりヤバいことになります。特に、ドクゼリは同じセリ科のセリ、アブラナ科のワサビと似ていることもあり中毒事故も少なくないようです。その他の植物毒の事例や世界の毒草についても紹介されています。文学のなかで使われているものは、その情報なども網羅されているので推理小説やミステリー好きの方もワクワクできるのではないでしょうか。

そのほか、植物が「毒」を使い身を守っていることなども、その成分を紹介しながら展示されています。今まで図鑑などで情報は知っているけど、実際に見たことがないという方はぜひこの機会に実物と出合うのもいいかも知れません。会場内、小さなお子さまと一緒の方も多数いらしゃいましたが、自分の身は自分で守るという観点からも「これは危ない!」ということを教育するよい機会です。この「毒の博物館」コーナーでは植物からはじまり、動物、爬虫類・両生類、鳥類、哺乳類、海洋の有毒動物、菌類から人間が作った毒までととにかく「毒」のてんこ盛りです。

ツクバトリカブト(エバーグリーン植物図鑑)

ツクバトリカブト(エバーグリーン植物図鑑)

ドクゼリ

ドクゼリ

 

あらためて「毒」を知る

一応グリーンアドバイザー資格(民間)を所有していることもあり、植物を中心に「毒」に関しての展示を見ていると、食害から実を守るために植物は「毒」を上手に使っている例などを知ることができます。一般によく知られていることですが、カキウメビワ、そしてライチなど熟してから食べないと中毒を起こす場合があるとされています。会場内には実際に熟したときと未熟なときの匂いの違いわかる場所もあります。

また、毒と人類の関わり、古代の毒についても展示されており、哲学者の一人、かのソクラテスの処刑にはある植物毒が用いられたというエピソードなどがわかります(なんの植物だったかは、ぜひ会場で)。もうとにかく「毒」「毒」「毒」を満喫できます!

店頭のカキは安全。でも、まだ青いとドク!?

店頭のカキは安全。でも、まだ青いとドク!?

図録は立派だけど高い!

図録は立派だけど高い!

 

カラー写真満載で展示の内容がしっかりわかる図録、172ページですが、お値段は2400円(税込)です。買う、買わない……迷ったすえに購入してしまった筆者です。特別展をみたら常設展ももちろん無料で見ることができます。こちらは修学旅行のスポットにもなっているほどで、見どころはたっぷり! 植物に関して、種や属、名前について展示されているコーナがあるので時間をかけて散策したいもの。

時間のかけ方は人それぞれですが、今回の特別展「毒」。筆者はかなり駆け足で約1時間強。常設展も見たいなら半日から1日かけるスケジュールでお出かけされるといいのではないでしょうか。

会場近景

会場近景

 

(藤依里子 グリーンアドバイザー)


看板発見!!