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2017年2月27日

[イチョウ]古今東西 ご神木巡礼 その2 鬼子母神のイチョウ|エバーグリーン

日本全国の神社やお寺、地域によってはシンボルツリーのような扱いで、願いを叶えてくれるご神木と呼ばれる木が数多く存在しています。これは、運気、邪気、勇気、弱気、強気などの“気”と“木”を語呂合わせしているのはもちろん、実際に願いを叶える力もあるからでしょう。特に、大樹や古木には、木霊と呼ばれる精霊のようなものが宿り、不思議な力を持つといわれています。

 

樹齢700年、都内で2番目の巨木とは

さて、今回ご紹介させていただくのは、チンチン電車としても親しまれている都営荒川線「鬼子母神駅」から徒歩5分の場所にあるご神木です。樹齢約700年のこの木は、東京都指定天然記念物にもなっています。

チンチン電車で親しまれている都営荒川線。

チンチン電車で親しまれている都営荒川線。

高さは約33m、幹の周囲は約11mと都内では2番目の巨木で、別名『子授け公孫樹(銀杏)』『子育てイチョウ』などとも呼ばれています。子育てや子授けにご利益があるとされる理由は、鬼子母神の境内の中にあるからともされていますが、戸張苗堅の『櫨楓』(ろふう)では、婦人がこのイチョウの幹を抱くと子が授かるとされ、注連縄が張られるようになったと、添えられている看板に書かれていました。今では、木が痛まないようにといった配慮などから、周囲は柵で囲われ、木を抱くことはできませんが、太く大きく長く伸び、柵を越えている根には触れることができました。古から生きてきた木の根に優しく触れると、なんだか子授けでなくとも、大きなパワーをもらえるような気がしました。

ご神木のイチョウの木 樹齢700年!

ご神木のイチョウの木 樹齢700年!

なぜご神木にはイチョウが多いのか

今回ご紹介した『子育てイチョウ』に限らず、日本各地の寺社などでイチョウはご神木として親しまれています。その理由は、イチョウは他の樹木に比べ成長がとても速いこと、そして銀杏を実らせるためには雄木と雌木が必要なことから子授けや子育の祈願に用いられているからと考えられます。また、イチョウの葉の形はハチの文字に似ていることから、末広がりといいった意味を持たせることもできるのです。

抱きつきたくなるほどの巨木。

抱きつきたくなるほどの巨木。

柵を超えるほど伸びた根。

柵を超えるほど伸びた根。

 

ちなみに、鬼子母神のご神木はザクロ。鬼子母神堂のすぐそばには、ザクロの木も見つけることができました。このザクロと鬼子母神堂のお話はまたの機会にお伝えしたいと思います。

ご神木のザクロ

ご神木のザクロ

 

  • 鬼子母神への行き方: 都電荒川線 鬼子母神駅下車 徒歩5分

 

 

(写真・取材 / グリーンアドバイザー・ふじえりこ)

 


ご神木のイチョウの木 樹齢700年!