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2018年10月5日

[ククイ]古今東西 ご神木巡礼 超番外ハワイ編1〜ククイ|トウダイグサ科アレウリテス属|エバーグリーン

日本各地のご神木をご紹介しているこのコーナーですが、ふとした疑問が。ご神木って日本だけ? いいえ(きっと)違います! 木を愛する人々に国境はないってことで、超番外編としてハワイのご神木を紹介します。ちなみに、ハワイでご神木という言葉が実際にあるかどうかはわかりませんが、(Sacred Treeという表現はあるみたいですが)現地で大切にされている木々をレポートしたいと思います。

 

様々な用途に使われているククイ

「アロハ〜!」と空港やホテルで迎えられる観光客たちの首にかけられる美しい花で作られたレイ。実はレイは花だけでなく、ククイの実で作られることもあります。そんなククイはご神木以上! まさに神的存在!!

ハワイ州の木として広く知られククイ(Aleurites moluccana)は、ポリネシア人が持ち込んだ木で成長すると20m以上に成長するのだとか。ハワイの島々のひとつモロカイ島では、ククイは州の木に指定(1959年)されるより先に1923年に島の木になっています。なぜなら、英名ではキャンドルナッツと呼ばれるほど油分を多く含み、その実で火を灯すことができます。

もちろん火を灯す以外にも、そのオイルは今流行りのロミロミマッサージで使うことができたり、香ばしく炒ったものは塩と混ぜ、調味料としても使うことができるとされています。

この木は花、葉、根に至るまでハワイの人々の暮らしになくてはならないものだったものだったのだとか。木には不思議な力があるとされ、なぜか家にククイを植えるときは、知らない人に頼んで家の裏側に植える風習があるようです。ほかにも、ククイの実を燃やした煤(すす)は魔除けの意味を込めタトウー染料として使われています。

ボ〜ッと火がつくククイキャンドル

ボ〜ッと火がつくククイキャンドル

ククイの実と塩で作る調味料“イナモナ”

ククイの実と塩で作る調味料“イナモナ”

 

ククイのレイはスゴイ!

ハワイの創世神話で、この木は人々を守る木として登場します。そのワケは、この木は遠くから見るとキラキラと光り、月灯りのなかでも見分けられるほどだからなのだとか……。

そんなククイの実でレイを作るには、実の表面をヤスリで削り研摩し、さらにオイルで磨くなどの手の込んだ作業が必要だったため、もっとも高級なレイのひとつとされています。このレイ、フラダンスの必須アイテム、衣装の一部と思っている方も少なくないようですが、実は祈りや宗教などに関連し、ハワイの歴史や文化に深く関わっています。材料に自然界のもの「植物(葉・花・種・木の実)」「貝殻」「鳥の羽」「動物(骨・歯)」を使ったものは神の分身とされ、“お守り”や“魔除け”のひとつにされているのです。

ちなみにレイは、前後の長さを均等にしてかけるのがハワイ流です!

 

最後に。

英語がまったくといっていいほどできない筆者です。現地での説明メモ、現地資料、さらにネット等で調べた情報などを織り交ぜて書かせていただいておりますが、ハワイ在住もしくは、木々に詳しい方でそれは違うかも……と思われた場合は、編集部にご連絡下さい。適時修正させていただければと思います。
 

(写真・取材/グリーンアドバイザー・開運文様研究家&ハワイスペシャリスト検定 上級 ふじえりこ)

ボ〜ッと火がつくククイキャンドル