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2019年4月6日

[クリンソウ]何層にも重なる九輪の花|サクラソウ科サクラソウ属|エバーグリーン

今回は、法隆寺五重塔の屋根にあることで有名な“九輪”に形が似ているところから名付けられたといわれる「クリンソウ」をご紹介します。

クリンソウ

クリンソウ

 

サクラソウ科サクラソウ属の多年草で、山間地の湿気の多い場所に生育し、せせらぎや渓谷の湿潤な場所では群生することがあります。日本原産で、サクラソウの仲間では最も大型。生育地は、北海道から本州、四国です。

クリンソウ

クリンソウ

 

葉は倒卵形長楕円形で、長さ15〜40cm、幅5〜13cmと大型です。上の写真のように根際に集まって付きます。軟らかくて表面にシワが多いのが特徴です。

クリンソウ落花前

クリンソウ落花前

この群生する葉の中心から、高さ40〜80cmの花茎を伸ばし、2〜5段、輪状に多数の花を付けます。花期は5月中旬〜6月中旬です。

花冠は紅紫色で、花喉部は更に紅紫色が濃くなります。花冠の直径は2〜2.5cmで、筒部は長さ1.6cm程度でやや細くなっています。朔果は球形で、径が7mm程度です。

下の方に落花後の朔果が見えます

下の方に落花後の朔果が見えます

 

この「クリンソウ」は寒さには強く、直射日光は好まないようなので、明るい森や林の中の緩やかな清流沿いや湿地を歩くと見付けられるかもしれません。清流の音を聞きながら微かに漂う花の香りを頼りに、探してみてください。柔らかな陽差しを浴びた紅紫色の花が、待ち受けてくれます。

もし、野生の「クリンソウ」を見かけたら、愛でるだけではもったいないので、ゆったりと時間をかけてせせらぎの音を聞きながら花の香りや柔らかな葉っぱの感触を体験してください。自然と森のパワ-を、十二分に貰えるでしょう!

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))


クリンソウ