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2023年1月8日

[スノードロップ]冬の妖精:スノードロップ|ヒガンバナ科ガランサス属|エバーグリーン

本格的な寒さが到来し、水戸の植物園も落ち葉の掃除に追われています。園内に植えられたラクウショウの葉を集め、パンジーハボタンの植え込みの間に敷き詰めては霜よけにする工夫を知り、日本庭園では松葉を敷いて風景を作ることを思い出しました。ラクウショウの葉は名前のとおり鳥の羽のような繊細な形で柔らかく、茎から細かい葉が落ちないので春になって片付けもしやすく敷いたときの景色も美しいので一石二鳥です。さて、そんな冬化粧の花壇にぽつぽつと咲く妖精のように可憐な球根植物を紹介しましょう。

落ち葉や雪を押し上げて開花する様子が健気

落ち葉や雪を押し上げて開花する様子が健気

 

スノードロップはヒガンバナ科の東ヨーロッパが原産の球根植物です。スコットランドでは年が明ける前に花を見つけると、その翌年には幸運が訪れると言われ愛される植物です。下向きに白い人形のような花をつけ、日中は花弁が開いてスカートか羽を広げた妖精のような花姿ですが、夜になると花を閉じて日中に吸収した温かい空気を閉じ込めます。

一番の開花期は2月から3月にかけてですが、12月中旬からもぽつぽつ開花します。初夏に地上部の葉や茎は枯れて休眠期に入るので、8月下旬から10月にかけて球根を植えたり株分けをするとよいでしょう。休眠していても乾燥や強い日差しには弱いので、夏でも湿り気が残る落葉樹の下やロックガーデンに植え付けるのに向いています。

クリスマスローズとの相性も良いので、庭植えではお互いを近くに植えっぱなしにすることで花の少ない冬季を彩ります。殖やすには夏に球根の根元についた分球を分けるといいですが、球根を乾かさないためできる限り掘り上げず地中で夏越しさせるとよいでしょう。

花の中を見ると凝った作りをしているのがわかる

花の中を見ると凝った作りをしているのがわかる

 

スノードロップとスノーフレーク。よくまちがわれる似たような名称と同じ白い花の球根植物ですが、スノードロップが開花するのは初春。草丈が5cmから20cmで雪の間から健気に出てくるのに対し、スノーフレークの開花期は春。スノードロップの花が終わってからです。草丈も30cmから40cmあり、花の形は釣鐘状です。お庭の片隅に冬の妖精を住まわせてみませんか。

 

水戸市植物公園 宮内元子)


落ち葉や雪を押し上げて開花する様子が健気